はるの趣味日記

野鳥撮影系大学生の雑記ブログ

秋が旬の魚は本当に秋においしいのか考察

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 そろそろ夏も終わりですね。鹿児島県はだいたい11月ごろまでは夏のような格好でいられますが、僕が今住んでる石川県はそろそろ半袖じゃきついかなーという気候になってきました。

 

ええ、秋ですね。僕は夏が嫌いで秋と春が好き、冬はちょっと好きって感じです。今からがちょうどベストシーズンって感じ。そして秋と言えば読書の秋、実りの秋、そして...

 

食欲の秋ですね!!!

 

はい。秋の食べ物はおいしいです。栗やサツマイモ、柿、お高いところで松茸...そしてサンマ!これは太る。太ってしまいます。

 

秋を食欲の秋とするなら冬はダイエットの冬にしないといけません。実際はクリスマスとお正月で太さ倍増なんですけどね。まぁ、冬は太ったことを服で隠せる辛いんですけど、薄着の夏はどうしても...ね。食欲の秋冬に対して後悔の夏って感じです。

 

と、こんなことを話したいんじゃありません。僕が話したいのは魚の旬のことです。秋になるとサンマがおいしくなるってよく言われてますよね?

 

これは理由があるのか?それともただただ世間が旬だというからその言葉を受けてみんなおいしいおいしいって言ってるだけなのか。そういう話がしたいんです。

魚の旬は本当に美味しいのか?

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秋の魚について当たる前に、魚の旬についての話をしておきます。実は魚は旬だからと言ってその時期が一番おいしいとは限りません。いや、むしろ美味しくない時期でも旬だと言われているものもあるってくらいです。

 

例えば...そうですね。真鯛の旬は春先、3月や4月がおいしいと言われています。言われていますが、実際にその時期の味が一番かと言われると答えはNOなんです。なんでか。それは産卵シーズン前だから。実際にはその前の1月2月くらいが一番おいしいらしいです。

 

美味しくない時期なのに旬だって言われてる理由は多分商売的にその方が有利だからですね。

 

魚にもよるんですが、少なくとも真鯛は産卵期になると漁獲しやすい浅場に集まってきます。で、こういうところに集まってくると漁獲しやすいんです。しかも産卵時期でお腹が膨らんでいる大きめの個体も獲れやすいんです。

 

大きな個体が獲れにくい時期や数が獲れない時期を旬って言ったって商売的な旨みは少ないですよね?特に真鯛はブランド的な魚ですから。

 

とにかくこんな風に魚によっては本当はベストではない時期においしいと言われてるものもいるんです。じゃあ、秋の魚はどうなのか?って話ですね。

秋の魚は本当に美味しい?

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今回は秋が旬だと言われている魚、特にスーパーで見かけやすい魚、カツオ、サケ、サバ、サンマの4種類を見ていこうと思います。

 

っていうかここに挙げた魚、秋になると北の地方から下ってきて獲れやすくなる魚ばっかりですね。これを見るとやっぱり旬って言うのは商売的な意味の方が強そうだと疑ってしまいます。

秋のカツオの味

結論から言うと秋のカツオは本当に美味しいです

 

秋のカツオ、いわゆる戻りガツオですね。カツオも秋になると漁獲しやすくなる魚です。南下を始めたカツオっていうよりも南下を始めようとする時期のカツオのことなんですけどね。

 

 

春先は日本沿岸を沿って北上するカツオを漁獲していますが、秋のカツオは東北沖あたりで漁獲されます。日本沿岸(太平洋側)を沿って北上する海流、つまり黒潮なんですけど、黒潮は餌が少ないんです。説明は省きますが、暖流は餌が少なくて寒流は餌が多いくらいに覚えておいてくれれば大丈夫です。

 

で、黒潮(暖流)に乗って北上するカツオは満足に餌を食べれていません。なのであまり太っておらず、脂肪も少ないです。(脂肪が少ないって言うのは水温的な意味もありそうですけどね)

 

で、東北沖では黒潮と北から流れてくる親潮(寒流)が交差するポイントがあります。暖流と寒流がぶつかると餌が大量に集まるポイントになります。

 

潮目と呼ばれるもので海水の縦方向の循環が起こりやすくなるのが特徴です。海の栄養分は基本的に海底の方に沈んでいて、それが潮の循環で巻き上げられるとプランクトンが海水面近くで発生→小魚発生→大型魚もやってくるという構図になります。

 

潮目には大量に餌が発生しているので、大型魚も太っているものが多く、しかも北の地域で獲れているので水温の関係で脂肪も乗っています。美味しくないわけがありません。

 

なので秋の戻りガツオはおいしい、となるわけです。逆に春のカツオが美味しいかって言われるとちょっと微妙。縁起物だからいいんですけどね。

補足説明-海水の栄養について-

で、ついでに海流について補足させて下さい。まずは寒流が栄養分豊富な潮である理由です。古いお風呂を沸かしたら下が水だけど表面は熱いなんてことになったことってある人いますか?

 

これは水温の低い水は比重が重くて、水温の高い水は比重が軽いのでキレイに分かれるって現象なんですけど、海水でもこれが起きます。

 

つまり暖流は表層を流れて、寒流は低層を流れます。栄養は海底の方に多く存在しているので、寒流はこれを取り込みながら流れます。これが寒流が栄養豊富な水になる理由。

 

本当は表層にだって栄養塩が存在しているはずなんですが、太陽の届く範囲だと植物プランクトンにほとんど使われてしまって残りません。なので結果的に残るのは植物プランクトンのいない200m以上の深海や、そこまではいかなくとも植物プランクトンの少ない海底部分だということです。

 

で、親潮と黒潮がぶつかっているような潮目という場所は比重の関係から暖流の下に寒流が潜り込むんです。そのおかげで縦方向の循環ができて栄養塩が巻き上げられるって言うのがわかると思います。

 

そもそも暖流と寒流がお互いにぶつかるような層を流れてるのはなんでだよって思うんですけど、とりあえず潮目が好漁場になる理由はこんなかんじ。ちなみに親潮は栄養塩だけでなくて酸素量も多いというちょっとチートな性能を持った海流です。

 

これは親潮を形成してる元の海流に由来してるんですけどね。それに加えて親潮で回遊魚もバンバンやってきますから東北沖の漁場がどれだけ優秀かってことがわかります。はい、補足ここまで。魚の話に戻ります。

秋のサケの味

お察しください。コイツは真鯛と同じです。産卵のために川に帰ってくるのでそれを狙って獲る魚です。つまり味的には秋はそこまでおいしいシーズンではありません。いや、むしろサケの中ではまずいシーズンとも言えるかも。

 

突然なんですけど、トキシラズというサケがいることを知ってますか?春から秋にかけて少数漁獲されるサケのことです。あ、いや別に種類が違うとかじゃないですよ?ただシーズンが違うんです。

 

サケの漁獲シーズンは通常秋、でもこのトキシラズは春から秋に漁獲される。時を間違えたサケなんでトキシラズです。

 

で、このトキシラズ。北海道の高級食材的な地位があったりします。理由はおいしいから。脂肪の量的には産卵でやってくるサケの3倍とか4倍とか言われてます。ホントかは知りませんが、とにかく普通の時期に獲れるサケに比べて格別に美味しいのは確か。

 

まぁ、その分値段は高いんですけどね。前に見たことがありますけどちょっと食べてみようと思う値段では無かったです。希少価値と味もありますから当然っちゃ当然ですが。

 

トキシラズも普通のサケも種は別に変りません。つまりシーズンが違うだけでこれだけ味に差が出ているということになります。なので秋のサケは美味しくはないという結論で。

秋のサバの味

秋サバは嫁に食わすなという言葉があります。これは秋のサバはうまいから嫁に食わせるのはもったいない、という意味です。現代でこんな言葉を作ろうものならぼこぼこにたたかれても文句は言えませんが、昔の言葉なのでそこは置いておきましょう。

 

ですが男女の関係は変わってもサバの種は変わりません。つまりこの理屈から行けばサバは今もおいしいはずなんです。

 

で、実際においしい。春から秋の産卵で味を落としますが、秋の終わりごろになると冬に備えて餌を食べるのでがっつり回復します。なので丸々太っているし脂肪も乗っていておいしいということになるわけです。まぁ、この理屈だと冬もサバは美味しいんですけどね。

 

話はちょっと変わりますが、ノルウェー産サバって聞いてどう思いますか?輸入物?安かろうマズかろう?

 

残念そのイメージははずれなんです。実はノルウェー産のサバはかなり美味しいんです。理由は2つあって、一つはノルウェーの海の栄養の豊富さ、もう一つはノルウェーの資源管理です。

 

ノルウェーは寒い地域で流れているのは寒流です。そのため栄養も豊富でサバの餌も大量に存在します。つまりノルウェーのサバは餌を食べて太ってるということ。

 

で、もう一つ。こっちはぶっちゃけ日本の漁業形態の問題点がかなり影響しています。あ、まずサバは小さいと別に美味しくないってことを覚えておいてください。

 

日本の漁業は獲れるものは全て獲ってやろうという精神でやっています。小型魚は価値が低いですが、それでも大量に獲れば二束三文にはなるので小さくて味が悪くても無視してガンガン獲ります。サバも例外ではありません。

 

対してノルウェーでは大型のサバには高い価値を付けて、船ごとに個別の漁獲量を割り当ててきっちり管理しています。これによって大型のサバのみを売ることに成功。資源管理もできるようになっています。

 

で、大型のサバのみが流通するということは当然それだけ美味しいサバだけが流通しているということです。これがノルウェー産のサバがおいしい理由です。

 

まぁ、ノルウェーのサバ漁船は自動化されていてサバの鮮度を落とさないような工夫がされているっていうのも理由ですけどね。これは半分サバの値段を高くつけていることが理由でしょう。売り上げが出るからこんな投資もできるわけですし。日本とはちょっと事情が違います。

 

というわけで、もしかしたら今後は日本産のサバよりもノルウェー産のサバの方が高級という風に世間でも言われだすかもしれません。

 

日本も漁獲形態を変えないといけないんじゃないですかね?今の漁業の形態から変更して漁師に売り上げを保証できる方法を思いつかないので大きな声で言えるような内容ではないですけども。

秋のサンマの味

これぞ秋!秋と言えばサンマ!サンマと言えば秋!というくらい僕にはなじみ深い魚です。だって安いんだもん。

 

サンマは感じで秋刀魚とも書きます。もう名前からして秋ですね。秋のサンマは脂が乗っていておいしい。はい、その通りです。

 

サンマは北海道の方から南下してくるタイプの魚で、だいたい9月とか10月ごろに東北沖、カツオの所でも説明した親潮と黒潮のぶつかる漁場で漁獲されます。

 

ここで漁獲される=餌を大量に食べていて脂が乗っています。つまり美味しい!値段もサンマの中では一番高くなるシーズンです。

 

逆にここを過ぎてさらに南下、11月終わりとかに伊豆や紀伊半島で漁獲されるサンマは脂が減っていて普通に食べてもおいしくありません。干物にしたり、紀伊半島の特産のサンマ寿司にすればおいしく食べられるんですけどね。

 

とにかくサンマのイメージ通りの普通に焼いて食べるスタイルで美味しいのは9月から10月、つまり今からくらいのシーズンがベストだということです。

終わりに

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結局魚の味はその種本来の味に加えて産卵期を外していること、餌をたくさん食べているか、後は魚によりますが大きさという要素に強く影響されます。

 

最近では高級魚の地位を得ているノドグロですが、獲れた条件の悪いノドグロと美味しい時期に獲れたサバのどちらが美味しい?と聞かれたらきっとサバの方が美味しいと思います。

 

サバとノドグロどっちが美味しい?と聞かれただけだときっとノドグロの方がおいしいよ!と答えますけどね。

 

とにかく魚の味って言うのは水物です。ええ、海だけにね。条件によっては高級魚と庶民的な魚の味関係は一気に逆転するもの。

 

そしてスーパーで買う分にはそれらの条件を比べることなんてめったにないと思います。だから魚の味関係は簡単に変わってしまうってことも知らない人が多いのかなー、と。

 

だって大体の魚はパックに切り身で売られてますし、丸一匹の魚を見比べる機会なんてアジやサバ、小型のブリくらいしかほとんど無いですよね?

 

だから魚の見た目から判断できない(...って言っても僕も見た目から判断できるのはこれは美味しくなさそうってくらいですけどね)。味をちゃんと考えられずに旬という言葉に振り回される人もいるのかなーと思います。もしかしたら魚にそこまで興味ないから考えてないだけかもしれないですけど。

 

とにかくこれを機に魚に興味を持ってくれる人が増えると嬉しいです。もし近くに市場とかがあれば見に行ってみるのも面白いですよ。スーパーでは見ない魚がゴロゴロ転がってますし、時期によって魚が痩せてたり太ってたりもします。調理済みしか見たことなかったけどこんな見た目してるんだって魚もいます。おすすめです。面白いですよ。